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【退職金の前借りは難しい】理由と代替案5つを紹介

「急遽、多額の資金が必要になってしまった…そういえば会社の退職金って前借りはできるのかな?」
様々な事情で突然の大きな出費があった場合、退職金が頭にチラつくことがありませんか。
ピンチの時の本音としては退職金ほど大きな金額を前借りができれば助かるに違いありませんね。
しかし、結論としては退職金の前借りは難しいことがほとんどです。
この記事では、どんな状態だと退職金の前借りが難しいのか、もし前借りできたとしてもその後に待ち受けているデメリットや、他の資金調達方法について解説いたします。

退職金の前借りは厳しい

早速、前借りが難しい理由と、前借りが考慮される例について解説いたします。

殆どの企業で前借り制度は導入されていない

退職金制度は企業によって異なりますが、前借制度を導入している企業は少ないです。
そもそも法的に、社員には前借りの権利はありません。
退職金の前借りは基本的に難しいと考えておいた方が良いでしょう。
ただ、個人と会社間で個別の労働契約として前借りができるように定めることは可能ではありますので、
一度会社の就業規則を確認した上で上司に事情を話し、相談することで可能性が見えてくるかもしれません。

また会社の規模の観点から説明すると、大企業であれば前借りが慣行化される風潮を避けたい傾向にあるため、前借りは難しいです。
中小企業では社員と社長・役員の距離が近いため、大企業よりも前借りが認められる確率はありますが、財政面では中小企業の方が厳しいため、結果的に前借りが難しいと考えられます。

前借りが考慮される例

前借りの難易度は高いものの、やむを得ない事情や、何らかの特別な理由があれば前借りが認められる可能性はあります。
例えば、

  • がんを患い先進医療を受けたい
  • 子供の大学進学で教育費用に充てたい
  • 多額の借金返済を行いたい
  • 急な葬儀資金が必要になった

いずれにしても退職金の前借りをするならば、まずは事情を会社に相談することが一歩となります。

デメリット

社内で噂になる、出世に影響する可能性がある

世間的に金銭の貸し借りに関する話は人の印象に大きく影響します。
例え普段から周囲の信頼をしっかり得ている人に予期せぬ前借りが発生した場合でも、
相談を受けた上司や前借りを対応した担当者が事情を考慮して、昇進や仕事には影響しないように配慮してもらえるとは限らないと考えておいた方が無難です。
また同様に、嫌な仕事を割り振られそうな時に断りづらくなる、というケースも認識しておいた方が良い点です。

利子が発生する

前借りをするということは「会社に借金をする」ということであるため、当然ながら利子が発生します。
そのため、前借りよりもまず従業員貸付制度がないか確認することをお勧めします。
従業員貸付制度であれば前借りよりも利子は低く済む可能性がありますし、前借り以外の方法で融資を受ける方が利子を安く済ませられる可能性があります。

退職所得控除を利用できない

退職金は給与所得ではなく「退職所得」に分類され、普通の給与とは異なり、退職所得控除が適用されるため税負担が非常に軽くなります。
退職の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば、勤続年数が20年以上なら控除額は870万〜2000万円以上、20年以下でも40〜800万円の控除が受けられます。
前借りをしてしまうと退職所得控除が適用されなくなり、通常通り定年まで働いたと仮定した場合よりも課税額が高くなってしまいますので注意が必要です。

前借り以外に資金を用意する方法

前借りではなく”前払い”を検討

現時点で退職したと仮定し、退職金を前倒しで払ってもらえないか相談してみましょう。
前”払い”であれば利子は発生しませんので、借り手としても負担は少なく済みます。
ただデメリットとして、前払いで受け取った金額は退職金としてはではなく”給与所得”とみなされるため、退職所得控除が適用されなくなり、税制面では退職金として受け取るよりも不利になります。

労働組合に相談

ろうきん(労働組合と生協が運営している金融機関)で融資を受けられないか検討しましょう。
利子の支払いは必要になりますが、ろうきんは営利目的で成り立っている組織ではないため、金利が低い条件で融資を受けることができます。

不動産担保ローン

もし不動産を所有している場合は、担保にしてローンを組めないか検討してみるのも一つの手段です。
他のローンと比較してみると金利が安く、他の低金利の資金調達方法よりも多額の資金を用意することが可能です。

キャッシング

クレジットカードのキャッシング機能を利用することも資金調達の一手です。 ただし、ろうきんや不動産担保ローンは金利が一桁台に対し、キャッシングは15%以上と高くなりますので、キャッシングを検討するのは後回しの方が良いかもしれません。 また、デメリットとして、キャッシングを利用するとショッピング枠の限度額が減少することも認識しておくべきです。

従業員貸付制度

会社の福利厚生として従業員貸付制度を利用する方法もあります。
メリットとしては、従業員貸付制度は社員を救済するための制度になりますので、金利はクレジットカードのキャッシングより10%以上も低く済みます。
一方デメリットとしては、借りた資金の使い道がやむを得ない用途に限られることや、資金源が会社の利益であるため多額の資金の用意が難しいことが考えられます。

市役所から借りる

生活福祉資金貸付制度を利用する方法について、こちらも従業員貸付制度のように金利を低く済ませられる方法となります。
ただし、審査条件が厳しいことから融資を受けるまでに一ヶ月ほど時間がかかることや、福祉資金以外は月ごとに数万〜数十万の融資を受ける形になるため、
ご自分が望む融資額を受けられるか確認する必要はあります。

退職する

事情にもよりますが、現時点で退職し通常通りに退職金を受け取る方が良いかもしれません。
もし退職する場合は退職所得控除を受けるため、必ず「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しましょう。
提出されていない場合、確定申告を行えば精算はされるものの、退職金の20.42%が所得税額と復興特別所得税額が源泉徴収され、
一時的に数百万ほど手取り額に差が生じます。

まとめ

以上、退職金の前借りが難しい理由と、資金調達の対処方法でした。
退職金は退職所得控除により税制面で非常に優遇された状態で受け取れる資金なため、できる限りは手を付けないでおきたいですね。
やむを得ない場合は、前借りではなく前払いや、ろうきん・従業員貸付制度・生活福祉資金貸付制度など他の金利が低く済む資金調達方法を検討してください。
不動産がある場合は担保にしてローンを組むと低金利で多額の資金が用意できますので、こちらも検討した方が良いです。
現時点で必要な金額、今後の返済計画に合わせて適切な資金調達方法を選んでください。

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